委託分析 X線CTスキャナ

 X線CTスキャナ・マイクロフォーカスX線CTスキャナでの委託分析の受入を開始しました。

X線CTスキャナの特徴

 X線CTスキャナは、試料に対して様々な方向からX線を照射することで、試料を破壊することなく,内部構造を観察・測定することができる装置です。透過像はもちろんのこと、3次元像も得ることができるのが特徴です。また,得られたCT値から肉眼では識別が難しい密度の差異を評価することも可能となります。本センターの装置での実質的な空間分解能は、X線CTスキャナで最小1mm程度、マイクロフォーカスX線スキャナで最小1μm程度です。

X線CTスキャナ Aquilion PRIME Focus Edition
        (キヤノンメディカルシステムズ)

・透過像、3次元像撮影(ヘリカル・アキシャルスキャン)
・撮影範囲:最大約50cm径、長さ約160cmまで
(解像度は撮影範囲によって変動、スライス間隔は0.5mm)
・短時間測定(1測定10分弱)、長尺試料の測定可能
mmオーダーの内部構造・3次元構造を観察
・肉眼では判別できない密度差を可視化

マイクロフォーカスX線CTスキャナ
            Xradia 410 Versa(Zeiss)

・透過像、3次元像撮影
・撮影範囲:最大約5cm径、高さ約5cmまで
(上下方向に複数回測定することで高さ10数cmまで測定
可能。解像度は撮影範囲によって変動。)
μmオーダーの3次元的な密度分布を可視化
・肉眼では判別できない密度差を可視化

分析例

<3次元像を用いた内部構造の観察>

 Aquilion PRIME Focus Editionを用いて、人形の透過像・3次元像を撮影しました。 透過像では中に3個程度の物体があることがわかるだけですが、3次元像で内部を観察すると内側が空洞であり、3体の人形が入っていることが観察できます。また、うち2体の人形は同程度の密度であることもわかります。


 Xradia 410 Versaを用いて、岩石中の球状・層状の黄鉄鉱(フランボイダルパイライト)の3次元像を撮影しました。 岩石中での高密度の鉱物の分布に加えて、黄鉄鉱単体の構造や集合している様子を3次元像から観察することができます。また、単体の黄鉄鉱の半径を測定すると、3次元的にほぼ同じ長さであり、球に近い形をしていることがわかりました。


<肉眼では判別できない密度差の可視化>


 サンゴ礁のコア試料をX線CTスキャナで撮影した事例です。
中央がX線CTスキャナで得られた断面像であり、密度が高いところを白く、密度が低いところを黒く示しています。左の実物写真からでは判別できない密度の違いが可視化されています。CT値を得ることでさらに詳細な差異を認識することが可能です。



<その他の測定例>
・ガーネットの結晶が点在する岩石(Xradia 410 Versa)



・植物の蕾の一部、トマトの花 (Xradia 410 Versa)



・電子基板の一部、微化石(放散虫、珪酸塩の殻) (Xradia 410 Versa)



委託分析料金

機器利用料に加えて、委託分析料が必要となります。詳細についてはお問合せください。(お問合せ先)

 〇X線CTスキャナ

研究教育機関 機器利用料  6,500円/30分委託分析料 +1,500円/30分
企業機器利用料 15,000円/30分委託分析料 +2,500円/30分

 〇マイクロフォーカスX線CTスキャナ

研究教育機関 機器利用料 2,500円/30分委託分析料 +1,000円/試料
企業機器利用料 5,000円/30分委託分析料 +2,000円/試料

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